UNIX的なアレ

UNIX的なこととかいろいろ

軽快なLinux環境をつくれる、coLinuxのセットアップ手順

以前にWindows上でLinuxを走らせる方法として、VMwareで作る、初めてのLAMP環境構築 - UNIX的なアレを紹介しました。
今回もまた、Windows上でLinuxを動かせる、coLinuxというものを紹介します。

VMwarePlayerに比べたメリットは動作が早いという点です。
coLinuxのインストール手順を記載しているサイトはすでにありますが、若干経験者向けな内容になっていますので、ここでは出来るだけ噛み砕いて書いてみます。
それでもVMwarePlayerよりも設定が若干難しいですが、頑張っていきましょう!

必要なモノをダウンロードする。

まず、必要なものは以下の2つです。

  • coLinux本体
  • FileSystemImage (今回はDebianを使用します)
  • swapImage(swap用のイメージです)
coLinux本体ダウンロード

それではまずcoLinux本体をダウンロードします。
Cooperative Linux - Browse Files at SourceForge.net
coLinux-0.7.1.exeというファイルがありますのでこちらをダウンロード下さい。

FileSystemImageダウンロード

続いて、FileSystemImageをダウンロードします。こちらも先程と同じページからダウンロードします。
Debian-4.0r0-etch.ext3.1gb.bz2をクリックしてダウンロードして下さい。

swapのイメージファイルのダウンロード

http://gniarf.nerim.net/colinux/swap/
上記のサイトから、

swap_128Mb.bz2というファイルをダウンロードしてきて下さい。
こちらはswapのイメージで、今回は128MBで構築します。

これでダウンロード作業は完了です!インストールにとりかかりましょう。

coLinux本体のインストール

それではインストールをします。
先程ダウンロードした、coLinux-0.7.1.exeをダブルクリックして下さい。

インストール自体はとくに難しくありませんが2点注意事項があります。

1点目は、下記の画面でRootFile system image Downloadのチェックをはずして下さい。

2点目は、インストール時に警告がでますがこちらは続行を選択して下さい。

なお、インストール先はc:\Program Files\coLinuxを指定しています。
後述する説明もそれにそっていますので別の場所にインストールした方はその部分を適宜読み替えて下さい。

debianのイメージを解凍する

coLinuxのインストールが終わったつぎは、Debianのイメージとswapのイメージファイルを解凍しましょう。
圧縮形式がbz2になっていますので、もし解凍できるアプリケーションをもっていなければダウンロードしてきて下さい。
自分はLhaplusを利用しています。

解凍が完了したら、それぞれリネーム&ファイルの移動をして下さい。
それぞれ、下記の場所に設置をしてリネームをしています。

  • FileSystemImage
解凍したときのファイル名
Debian-4.0r0-etch.ext3.1gb.bz2
リネーム後のファイル名
debian.img
設置先
C:\Program Files\coLinux\debian.img
  • swapのイメージファイル
解凍したときのファイル名
swap_128Mb
リネーム後のファイル名
swap.img
設置先
C:\Program Files\coLinux\swap.img

windows側のNetworkの設定をする

それでは、coLinux側からネットワークに接続する設定をします。今回はNATで設定するようにします。
スタート

接続

すべての接続の表示

をクリックして下さい。

下記の写真のように、TAP-Win32が表示されるのを確認します。
この時点での表示方法を確認して下さい。(写真では、ローカルエリア接続 3)

次はローカルエリア接続をクリックし詳細設定のタブを選択してください。
なおネットワークへの接続が無線LAN経由の人は、ワイヤレスネットワーク接続を選択して下さい。

インターネット接続の共有からネットワークのほかのユーザーに・・・チェックボックスにチェックをいれます。
ホームネットワークの接続には、先程確認したcoLinuxのネットワーク接続からの許可をいれます。
この場合は、ローカルエリア接続 3から許可をします。

coLinuxの設定ファイルを書く

それではインストールが完了しましたので、立ち上げるための設定ファイルを記述しましょう。
coLinuxをインストールしたフォルダの直下(この場合は、C:\Program Files\coLinux)に、debian.confというファイルを作成して下さい。
そのファイルには、以下の内容を記述します。なお、ファイルの最後には必ず改行を入下さい。
これを入れないとcoLinuxが立ち上がりません。


kernel=vmlinux
cobd0="c:\Program Files\coLinux\debian.img" # FileSystemImageの指定
cobd1="c:\Program Files\coLinux\swap.img" # swapImageの指定
initrd="c:\Program Files\coLinux\initrd.gz" # initrdの指定
mem=128 # 使用するメモリの指定
eth0=tuntap
root=/dev/cobd0

coLinuxを立ち上げる!

それでは立ち上げましょう!といっても、直接coLinuxの実行ファイルをダブルクリックしても起動させることはできません。
先程設定したdebian.confという設定ファイルを読ませて必要があります。
スタート

すべてのプログラム

アクセサリ

コマンドプロンプト
を選択して下さい。
コマンドプロンプトの中で、下記のコマンド入力をしましょう。


C:\WINDOWS\system32> cd "c:\Program Files\coLinux"
C:\WINDOWS\system32> colinux-daemon.exe @"debian.conf"
下記の写真のようにCooperative Linux Consoleというウィンドウが立ち上がれば成功です!

Networkの設定をする

それではNetworkの設定をしましょう。まずログイン下さい。
デフォルトの設定では、user:root / password:root でログインできるはずです。
これでNetworkの設定ファイルを記述したいところですが、viが入っていません。
nanoを利用して記述をします。


# nano /etc/network/interfaces

auto lo
iface lo inet loopback

auto eth0
iface eth0 inet static
address 192.168.0.2
netmask 255.255.255.0
gateway 192.168.0.1

最後は、CTRL+O -> CTRL+X で保存後抜けられます。
(もっとよい操作方はあると思います。。)
ではNICを再起動しましょう。以下のコマンドをたたいてください。

# /sbin/ifdown eth0
# /sbin/ifup eth0
エラーメッセージ等表示されなければ正常に認識されていると思います。それでは確認します。

# /sbin/ifconfig
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:FF:3B:A6:D2:00
inet addr:192.168.0.2 Bcast:192.168.0.255 Mask:255.255.255.0
inet6 addr: fe80::2ff:3bff:fea6:d200/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:233 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:140 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1000
RX bytes:33013 (32.2 KiB) TX bytes:19379 (18.9 KiB)
Interrupt:2

lo Link encap:Local Loopback
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
inet6 addr: ::1/128 Scope:Host
UP LOOPBACK RUNNING MTU:16436 Metric:1
RX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 frame:0
TX packets:0 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:0
RX bytes:0 (0.0 b) TX bytes:0 (0.0 b)

上記のように、eth0側のIPアドレスが先程設定しました、192.168.0.2になっていればOKです。
続いてnameserverを指定しましょう。nanoを立ち上げ、以下の記述をして下さい。

# nano /etc/resolv.conf
nameserver 192.168.0.1

最後にはNetworkの疎通を確認です。DefaultGateway,そして外部にpingを打ちます。


# /bin/ping 192.168.0.1
PING 192.168.0.1 (192.168.0.1) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 192.168.0.1: icmp_seq=1 ttl=128 time=0.497 ms
64 bytes from 192.168.0.1: icmp_seq=2 ttl=128 time=0.460 ms

# ping 0.pool.ntp.org
PING 203.141.148.250 (203.141.148.250) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 203.141.148.250: icmp_seq=1 ttl=52 time=43.1 ms
64 bytes from 203.141.148.250: icmp_seq=2 ttl=52 time=44.0 ms

上記のようにPingがちゃんとかえってくれば成功です!
これで基本的な設定は完了です。最後は使用する上での最低限の設定をします。

userアカウントの設定

それではLinuxの立ち上げ、Networkの設定まで完了したのでこれが最後になります。
いままではrootログインをしていましたが、一般ユーザーのアカウントの作成とパスワードの変更をします。


# /usr/sbin/useradd wadap
# /usr/bin/passwd wadap
Enter new UNIX password:
Retype new UNIX password:
passwd: password updated successfully

ssh等必要なものをインストール

sshvimをインストールします。


# sudo apt-get update
# sudo apt-get install ssh vim
最後にWindows側からセットアップしたcoLinuxsshでログインしてみましょう!
名前解決はできませんので、192.168.0.2 に対して直接sshして下さい。
図のように正常にログインできたら成功です。

これで最低限のセットアップは完了です!

最後に

書こうと思った時点で感じてはいたのですが、やはり今回もかなり長いエントリーになってしまいました。
これきっかけにcoLinuxにちょっと手を出してみてはいかがでしょうか?
VMwareよりも軽快に作動しますので、用途によってはこちらの方が向いていることもあると思います。
実際は、batファイルを作成して簡単にアクセスするなどの方法をとるのでそのほかの設定手順も含めまた追って紹介をしていきたいと思います。