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CTOとか役員とかに関する基本的な知識

CTO募集とかフルスタックエンジニア募集とか都合の良いこと言っちゃだめ - UNIX的なアレ

先日のCTOエントリが結構反響あったので続きを書いてみます。いろいろな方のリアクションみていると、CTOとか役員とかそのあたりをもう少し理解してもらいたいなと思ったのが理由です。

役員って何?

これ結構勘違いされていますが、会社法における役員というのは取締役のことです。そのため、CTOだから会社法上の役員というわけではありません。

またそれと同様に、執行役員会社法上の役員ではありません。取締役と執行役員を兼任しているケースは多いですが、これは社内におけるそれぞれの役割を分けているためです。

それでは取締役の役目は?

まず、重要なのは以下の点です。

取締役は単独で職務執行権限を持たず、取締役会の一員に過ぎなくなった

取締役 - Wikipedia

取締役という立場自体はそれだけで職務上の何らかの権限を表しているものではありません。このあたりが認識がズレがちなところ。ただ、このあたりを混ぜた役職にしている会社が多いのも事実です。

常務取締役とか、専務取締役とかそういったのですね。常務や専務などはその社内における意味をもつもので会社法上には存在しません。最近の新しいIT系のベンチャーだとあまり聞かなくなりましたけどね。

執行役員=会社役員?

これも、執行役員 = 会社法上の役員ではありません。となると、執行役員とは何なのか。

これも会社によって定義されているものです。基本的には業務を執行する上での最高責任者という場合が多いはずです。この、執行役員の裁量自体は取締役会で定義されます。

役員 (会社) - Wikipedia

他社の事例を見てみよう

楽天株式会社: 役員紹介 | 企業情報

他社の事例を見てみるとわかりやすいです。取締役と書かれているひとと、常務執行役員と書かれている人と、両方書かれている人がいる。

これは、それぞれの役割を分けているためです。ここで注意すべきなのが、常務執行役員とだけ書かれている人はあくまで社員です。業務上の最上級の権限は与えられている社員、ということになるはずです。

私自身の肩書

Co-Founder 取締役 執行役員 CTO

という肩書にしています。ここまでくるとわかると思いますが、それぞれ別の意味なんです。共同創業者かつ株主で、取締役会に参加をしていて、業務上の執行権限があり、技術面をみているという意味です。長ったらしい肩書ではありますが、一応ちゃんとした意味があります。

そうなるとCTOはどういう立場なのか?

私自身は、取締役としてテクノロジーに関する知識や経験をフル活用して会社経営にコミットする人だと思っています。なので、どういった立場でCTOとしてジョインするのかというのはすごく重要な話です。CTOの最初のしごとのうちの多くは、コードをかいてシステムを構築することでしょう。

しかし、会社が成長していく中では確実にそれだけでは業務は回らなくなってきます。マネージメントだけでなく、組織づくりや、風土づくりのほうがウェイトが大きくなってくる。

そういった部分まで将来的に考えることが出来る人、やってもいいよと思う人がCTOになるべきだと思っています。

ただ、いろいろなCTOがいてもいいと思うんです。CTOだから全員が取締役じゃなくてもいいと思う。たとえば、本当のスーパーエンジニアなのであればその人が技術だけでメンバーを引っ張り続けていくというのもひとつのスタイルなんだと思います。

以前、CTOの仕事についてこういった内容を話しました。別に答えはひとつじゃないと思うんです。

CTOは採用にフルコミットしろ−−nanapi和田氏が語る「CTOに必要な役割とエンジニアの組織づくり」 - THE BRIDGE

CTOも取締役も執行役員もあくまで役割

重要なことは別に役員だから偉いというわけじゃないんですよ。あくまで役割でしか無いんです。

だから、CTOより優秀なエンジニアはいて当然だし、むしろCTOが技術をコントロールし続けるべきじゃない。自分を過信せずに、メンバーをもっと信用しないといけない。なぜなら、CTOにはもっと別の役割があるからです。

私自身、どういったCTOなるのかというのは常に悩んでいますし今でも結論は出ていません。そのなかで、ものすごく影響を受けたインタビューがあります。

すべての技術をオーガナイズしてコントロールする立場ではないことは確かです。その役割をもしCTOが負うとしたら、CTOの存在自体がボトルネックになってしまいますから。そういう意味では、CTOの役割は無用な制約を取り払い、全体のスピードを上げる人。ミッションに向けて最適な選択ができる人になるんでしょうね。

グリーCTO藤本真樹が実感する、優れたWebサービスを生み出す難しさと面白さ【連載:BizHack】 - エンジニアtype

簡単に会社法を学ぶなら

ちょっと古いですが、以下の新書がお勧めです。前職を辞めて起業しようと決断したときに当時お世話になった役員の方から勧められた本です。

CTOとして誘われたらこのくらいは基本的な知識として知っておいたほうがよいと思います。CTOだけじゃなくどういう立場でどういう権限があるのかというのも重要なので!