UNIX的なアレ

UNIX的なこととかいろいろ

天才になれなかった全ての人へ

これはアルのメンバーを中心にお届けする、推しのコマをつかったアドベンカレンダー、16日目の記事です。

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"何者か" になりたい時代

SNSが一般化したことや、個人単位で活動するインフルエンサーやYouTuberが出てきたことにより、現代は多くの人が「何者か」になりたい時代になっている。

でもこの「何者か」になりたい欲求というのは、おそらく幼少のころには誰もが持っていた欲求なのではないだろうか?それはスポーツ選手かもしれないし、歌手かもしれない。でも、年齢を重ねるにつれて現実と向き合い続けることになり多くの人がそういった夢を気づかないうちに忘れてしまうことになる。

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「左利きのエレン」は、何者かになりたいまま広告クリエイターになった朝倉光一を主人公とした物語だ。多くの場合、こういった物語の主人公は「天才」であることが多いのだけれど、朝倉光一は決して天才ではない。それでも何者かになりたいと思いつつ、広告クリエイターとしての道を歩み続ける。

それなりにキャリアを詰んで、天才ではないことを気付いていてもそれでもやはり「何者か」になりたい自分を捨てることができない。とにかくかっこ悪くて痛くてダサくて、見ていて目を背けたくなるシーンがとにかく多い。遠くの過去に置いてきてしまった、青臭かった頃の自分を突きつけられているような感情にかられる。

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"天才" の苦悩

一方で朝倉光一が何者かになれずにもがいている傍ら、高校の同級生である山岸エレンは天才として才能を発揮し続ける。しかしながら、天才である山岸エレンは彼女なりに普通に生きられないからこその決意や苦悩がある。

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「左利きのエレン」の魅力は、この才能の対比だ。天才になりたいけどなれななった光一と、天才として生きるしかない不器用なエレン。この対象的なそれぞれのキャラクターを軸にしてストーリーは進んでいく。

しかしながら、この作品の魅力は才能の対比だけではない。広告業界におけるリアルだったり(恥ずかしながら私自身は広告業界に身をおいたことがないので実体験はないのだが)、魅力的な脇役でもある。様々な角度から楽しむことができる作品なので、まだ未読な方がいたらぜひ手にとってもらいたい。

なお、この作品は現在少年ジャンプ+で連載しているものと原作版の2種類がある。どちらも魅力的な作品となっているので、ぜひとも両方読んでみることをおすすめしたい。個人的には、原作版を先に読んでから現在連載しているものを読む順番が良いと思っている。

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そして最後は、1巻に出てくるこの言葉で締めくくりたい。

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