想いは時間に喰われるか
ベンチャーを立ち上げて、とにかく突き進んでいる時って人は最強になれる。こういうときって最初の「想い」だけで動いていて、どれだけ働いても戦い続けられる無敵状態になっている。
自分の想いをそのまま実現しているからこそ疲れないし、どこまでも走り続けることができる。この無敵状態ってプライベートにも反映されるもので、仕事が無敵状態の場合はプライベートも無敵でいられる事も多いと思う。
とはいえ実際に会社のビジョンやミッションって最初から決まっているような会社ってあまりなく、事業をつくっていく中で徐々に固まっていくことが多い。
そのビジョンが固まっていくなかで経営者の「想い」が成長することは本当に素晴らしいこと。いままで描いていた想いが抽象化されたり具体化されたりで、企業として成長をできるビジョンになっていく。そうできる会社や経営者は健全な思いで会社を経営できているはず。
これはあくまで従業員目線ではなく、経営者側の話。想いがピュアすぎた結果、ブラック企業化するって話はいったんおいておく。
想いはいつまで続くか
でも、何かのタイミングで想いが喰われることがある。何によって喰われるかはいろいろあると思う。単に時間によって風化しただけかもしれないし、心が折れたのかもしれないし、時代の変化かもしれないし、事業が思うように行かなかったのかもしれない。想いが強すぎて、責任感が強すぎて、それに押しつぶされちゃうなんて悲しいこともある。
そして何らかの理由で想いが喰われてしまって、当初の想いがよくわからなくなったとき、本当にやりたいことかわからなくなってしまったとき、最初に思い描いてた未来に立ち戻るしか無いんじゃないかなって思う。創業者としてピュアすぎて、最も未熟だった時の無邪気な想い。たぶん、そこをベースにまた引き直すしか自分を戻す方法は無いんじゃないかな。
過去の自分に立ち戻る
こうやって過去の自分の考えをみると過去の自分に気付かされることってある。初心忘れるべからずとはよくいったもので、最初ってただ自分の事業が前に進むだけで喜びがあったし、小さな出来事一つ一つに大喜びすることができた。でも人の幸せの水準なんて上がり続けていくもので、小さなことではだんだんと気づかなくなっていくもので。そんなことの積み重ねで、だんだんと方向を見失っちゃうことってよくあること。
新卒のときに言われた「幸せのレベルを下げよう」という言葉は今になって言葉の価値がちょっとわかった気がする。
最近の相次ぐサービスの終了と、この時期になると毎年思い出すこと、そして自分の仕事と価値について考え直す機会が重なったのでいろいろと書いてみました。さて、今日からまた頑張ろう。
母校での講義で、僕が伝えたかったこと
元nanapi CTOの和田修一さんを迎えて中央大学での学生起業授業「ビジプロ2」だん。
— 高橋亮平 (@ryohey7654) 2016年11月10日
熱と想いのこもった講演とその後の質疑応答も盛り上がり、学生たちによるビジネスプランのプレゼンには可能性を感じた。
まだ荒削りだが、昨年に続き今年は複数社がここから起業してくれる事を期待。 pic.twitter.com/kYaW5QEQO1
僕の出身大学で講義をしてきました。ベンチャーの立ち上げだったりを推進している授業のゲストとして呼ばれて、過去の経験やなぜCTOとして起業するに至ったのかみたいお話をさせて頂きました。
「人生でやりたい100のこと」というリストを管理しているのですが、その中に「母校で講義をする」というのがありました。そのため呼ばれたときは本当に嬉しかったです。紹介をしてくれたSkylandVenturesの木下さん、中央大学特任准教授の高橋さんには感謝です。
なぜ講義をしたかったのか
当然、僕は自分自身のことを優秀な人間だとか成功した人間なんて全く思っていません。僕なんかより素晴らしい人間や経験をしている人は沢山いますし、実際にそういった方々の話を聞いて今でもすごく刺激をうけています。
でも、僕だからこそ伝わる内容はあると思っていますし、僕だからこそ伝わる人達に向けてはやっぱり出来る限りの情報を届けたいと思っています。誰もが最初から大きなビジョンを掲げて生きているわけじゃないし、しょうもないことを沢山積み上げながらそのなかでいろいろな選択をし小さな成功を掴んていくわけじゃないですか。そんなことが少しでも伝わったらいいなぁなんて思っています。
なので承認欲求を満たしたいとかそんなチンケなものではなく、社会貢献に近いような思いです。
そんな思いがあったので、ずっと思っていた一つのことを達成できて嬉しく思っています。スライドだけで伝わるのは一部ですが、一応こちらにスライドをおいておきます。
学生向けのキャリアの考え方的なことも話せたので、話してくれみたいなのがあればいつでも伺います。
未来を思い出す
「未来を思い出す」っていう言葉を考えなしに発声してみたら「名言だ」と言われたんですけど、どういう意味なんでしょうね。世の中にある名言の5%くらいはこういうノリで作られていますよね。
— けんすう (@kensuu) 2016年10月6日
少し前にこんな会話を雑くしてたことがあったのですが、個人的には割りと好きな言葉だったんですね。結構自分の考え方というか思考法がまさにこんな感じなので少し書いてみたいと思います。
結構、僕は未来というか将来こうなっていたいというイメージとか想像をよくするほうで○○年後で何歳のときはこうなっているみたいなイメージが強いと思います。
仕事は当然ですが、それだけでなくプライベートも含めかなり具体的にイメージをしていたりします。住んでいる家や持っているもの、一日のスケジュール、そのときにやっていたい趣味とか体重などなど。そのイメージを強く持っていると、比較的近い将来がやってくるなという実感があります。
当然、数年単位でズレることはありますしすべて思い通りの未来がやってくるというわけではないんですけど、想像できる未来がたぶん最上級なんですよね。どうあがいても想像している以上の自分になることはないので、できるかぎり良いイメージをし続けるということを意識しています。この良いイメージってのは社会的な成功に限った話ではなく、人としてどうなりたいかというところですね。
そのイメージを強くしすぎると、自分がその未来に立っているような気がしてきて、近い未来なんて過去のように感じてしまうくらいに思い出すことができてしまいます。だから未来を思い出すという言葉が意外としっくりきた、というところでしょうか。
一つ問題があって、これをやりすぎて本当に自分の年齢を勘違いしてしまうことがあるという問題があります。
新規事業と「ざっくり力」
新規事業ってあまりにも変数が多すぎて考えないといけないことだらけです。本来であれば一定以上はやってみないとわからないものだらけなのですが、どうしても細かいリスクに目が行きがちで議論が深まってしまいます。
本来であれば、とにかく意思決定は早くしプロジェクトをどんどんと前にすすめるほうが見えることも多いです。
しかしなかなかそうはいかないこともあるのが現状。そのときに使えるスキル「ざっくり力」というものに会話をしていて気づきました。
立ち上げ時のワナ
まずありがちなのが、細かなリスクやこういうときにこうだったらというとにかく多くのケースの想定です。
当然、出来る限りリスクを想定しておくことは大事なのですがこのリスクを潰そうとすることをやりすぎてしまうとプロジェクトがなかなか前に進みません。とくに「予算が多い」「関わる人間が多い」となるとそうなりがちかなと思います。
確かにそれは間違ってはいないと思いますし、ベンチャーではない大企業の新規事業立ち上げになるとどうしてもプロジェクト内だけで決められることは一定で、関わる部署すべてが納得するための材料づくりなどが必要になってきます。しかし、それによって失うものが出てきます。
慎重すぎることで失うモノ
結局、最終的にはやってみなければプロジェクトが成功するかどうかなんてわかりません。そもそも方向性が合っていたのか、市場に受け入れられるものなのかというのはいくら市場調査をしても答えは出てきません。
だからこそ、ある程度の段階で意思決定をしプロジェクトを進めていくほうが早期の段階で気付きを得ることができ、またそれをプロジェクトの改善へとつなげることができると思います。
ざっくり力が新規事業を救う
そこで活かせるスキルは何か。それを「ざっくり力」と呼んでみました。
当然、ざっくりと言っても適当に決めるわけでもないし、他の人のことを無視するという意味ではありません。ただ、一定以上の変数にはある程度目をつぶり、「決め」を作ることである程度の方向性を仮設としてつくってしまうというものです。
プロジェクト内にいる意思決定者がこのスキルを持っていることで、プロジェクトはとにかく前にすすみます。
そして、リリースまでいかなくてもざっくり決めておいた仕様が実際にプロダクトとして見えてくることで初めて見えてくる問題点もたくさんあります。
スクラムとざっくり力
まさにこのざっくりした意思決定はスクラム開発に向いているものだと思います。いま開発しているプロダクトでも実際にそのような流れをとっていて、
- 細かなバグは許容し、最低限うごくプロダクトをつくる
- ある程度うごくプロダクトを触って、再度判断する
- 必要な軌道修正をした上で、プロダクトを作り込む
のような流れで開発をすすめることができます。
このようにスプリントをただの開発期間とだけ定義するのではなく、それぞれに意味をもたせることでよりプロダクトの軌道修正がしやすくなります。
エンジニアリングにざっくり力は必要か
とはいえ、コードを雑に書くという意味ではありません。あくまでプロダクトの意思決定をざっくりしようという意味です。それに対してエンジニアができることは、「常に変わりうる仕様に耐えるコードを書く」ということです。
そのために継続的インテグレーションやデリバリーの仕組みを導入し、ざっくり開発をできるための硬いベースを作っておくというのが重要になってきます。
ざっくり = 適当 ではない
改めて記述しますが、ここで言う「ざっくり」は適当とは違います。ある程度考え抜かれた上で、一定以上のことは一旦考えずにプロジェクトを進める力という意味です。
当然、その意思決定をする人は責任を背負いますしリスクはあります。また、どのレベルまでざっくり決めるべきかというのもプロジェクト次第ではあります。
ただ、あまりにも細かい点が気になりすぎてプロジェクトが前にすすまないと思うときがあったら必要以上に考え過ぎかもしれないことを振り返ってみてもいいかもしれません。
チャレンジするなら若い方がいいし、失敗の数だけ強くなる
http://www.ishidanohanashi.com/entry/2016/09/15/193000www.ishidanohanashi.com
なんか思ったより厳しい大人が多いなぁと思うのですが、僕は個人的にすごく応援したいと思っています。世の中にはいろいろな18歳がいると思うんですけど、少なくとも自分はごく普通の18歳だったのでこんな選択肢は出てこなかったんですよね。
僕自身は、普通に大学を卒業して普通にそこそこ大きい会社で新卒として4年くらい働いて、共同創業者として起業したという経歴です。なので起業に関しては1回しか経験をしていないわけですが、これがなんどか経験していたらもっとうまくやれたんだろうなぁなんて反省は沢山ありました。
確かに彼の行動って若さ故の過ちのように見えます。でもこういったチャレンジをしていくのって早いほうが良いと思うんです。たぶん、本当に大変なことだらけだろうし、失敗しても学ぶこともたくさんある。それでも、またチャレンジすればいいだけだと思うんです。僕がCTOをつとめていたnanapiは立ち上げてからM&Aされるまで約5年間だったけど、いま彼が起業して5年後にM&Aされてもまだ23歳なわけです。嫉妬しそうになるくらいに若い。
人生の中で今が一番若いのは誰にも共通していること。大学辞めなくてもというのも意見の一つではあると思う。でもやらない理由なんていくらでも見つけられるので、自分からすぐに戦わざるを得ない環境をつくるというのは戦略のひとつとしてあると思う。
自分が何者であるかを決めるのは自分自身だし、そうやって胸はって生きていくのがいいよね。
iOS10でSSKeychainがうごかない
まず、いつの間にかSAMKeychainなんて名前になってた。
https://github.com/soffes/SAMKeychain/issues/149
let foo = SAMKeychain.passwordForService("hoge", account: "fuga")
でsetしていた値が返って来なくなる。KeychainSharingをONにして解決。
実機転送できなくなったとき
実機転送時のエラー
普段開発してる環境と別のとこでビルドしたら出てくる時があるコイツ(台風のため家で普段と違うマシンでやったら出た)
対処法
キーチェーンアクセスから探して「この証明書は取り消されました」ってやつを消せばOK。