UNIX的なアレ

UNIX的なこととかいろいろ

技術そのものがリスペクトされる風土がこれからは大事なんだと思う

ITに携わる人たちの間で、エンジニアが大切でエンジニアを中心とした組織づくりをしようとしている会社がすごく増えてきました。実際にいま存在感がある会社はどこもエンジニアが活躍している会社です。

なぜ非エンジニア向けに技術を学ばせるのか

nanapiでは非エンジニアむけの技術研修を毎週実施をしていて、コードのかけない人はいないようにすることを目標にしています。これはコードを書けることでそれを普段の業務に活かせるようにしようというだけではなく、技術そのものに対してリスペクトしてほしいという思いがあります。

nanapiのエンジニアはコミュニケーション能力が非常に高いので非エンジニアのレベルに合わせて技術の話をすることができますが、実際はエンジニアが遠慮せずに話してそれを非エンジニアの人が理解しようとするほうが圧倒的に仕事のレベルは上がるはずなです。やっぱり普段の仕事の会話は高いレベルに合わせたほうが絶対に仕事は楽しいし、成果もだせます。

実際に社内で私が直接教えている内容はHTML/CSS/PHP/MySQLといったあたりですが、この教えている内容自体は何でもいいと思うんです。「世の中を便利にしてきているテクノロジーに対する尊敬の意」を持ってもらうというのが本来の目的です。

経営者こそもっとリスペクトすべき

いまだにエンジニア・デザイナーを「ただ作ってくれる人」として扱っているような経営者はいるのでしょう。

最近の起業家はもともとエンジニアだったり、自分でサービスを作れるような人が多いので減ってきているとは思いますが、まだまだ古い体制の会社などはそういった考えは残っているように感じます。

これもやはり人を軽視する以前に、テクノロジー自体を軽視しているから起きることだと思うんです。だからこそ、その専門性をもっている人を軽視してしまう。

当然、営業で売上を作ってくる人は「営業」という行為における専門性があるべきでそれはちゃんと尊重されるべきです。ただ、営業はわかりやすい売上というものがある以上、経営サイドからみると評価しやすいんですよね。

リスペクトされるべき対象

ただ、ここで気をつけないといけないのがエンジニアだから偉いというわけではないということなのかなと思っています。エンジニアというだけで無条件でリスペクトされてしまうような風土が根付いてしまうと、組織内のパワーバランスがおかしくなる。

やっぱりいちばんリスペクトされるものは、技術そのものであるべきだと。技術を活かすとこんなことができる、技術を知っているとこういった発想ができるといったような考え方ができるようになるのだと思います。

当然、その技術を扱えるエンジニアはそれ相応の評価をされるべきですし、時代を切り開いていく側になる。ただ、無条件でエンジニアだからというだけでリスペクトするのはあまりにも短絡的すぎると思うんです。そういった会社としての風土がちゃんとある上でこそ、エンジニアの評価制度などがちゃんとなりたつのだと思っています。

実際にうちの会社はまだまだそのあたりの制度が整っているとはいえません。しかし、これからより整えていくためにも技術をリスペクトするという風土は大切にしていきたいと思っています。

追記

賛否両論ですが、いろいろ勘違いされてるので追記。

技術というよりはプロフェッショナルを尊敬しようだとおもう。技術ベンチャーだから技術が必要なのはもちろんだけど、デザイン、会計、マネジメントの技術も大事。それぞれが他のプロの基本を身につけたほうが後々楽

あとこれ。

全力否定。であれば、起業も経営も営業もマーケティングも理解し、リスペクトするじゃないとおかしい。なぜ技術だけが特別で、軽視されるべきでないのかの理由が見えない。

まず、そもそも我々はIT企業だから。技術が我々の武器であり、技術で戦うしかない。IT企業の名をかぶったただの営業会社もあるけどうちは違う。どんな仕事においても、技術においてうまく解決できないかと考えることができないと所詮それは足し算にしかならない。

そして技術そのもの自体は、もっと根底にあるので、身近なものなんだ。そもそも存在しているレイヤーが違う。起業も経営も営業もマーケティングも、すくなからず技術によって仕事の成果をより出しやすくなっている。

技術そのもの自体が圧倒的に世界を変えている。技術は掛け算になり、他のことをより強くさせることができるもの。だから、他のものと両立することができる。

以下の本ですごく印象に残っている記述がある。

132ページのExcelがある幸せという章なのだけど、まさに昔頑張っていたことがExcelがあることによってこれだけ簡単に計算することができるんだよという話。

これって事業計画を作るという行為をテクノロジーでより便利にしているすごくわかりやすい例だ。このようにして、テクノロジー自体は他のものと両立することができる。

エンジニアに限らず、お互い様になろう

だから、何度も言うけど「エンジニアが偉い」ということを言ってるのではなくて「テクノロジーをリスペクトしよう」ということなんだよ。